顕浄土方便化身土文類六(末)
愚禿釈親鸞集
それ、もろもろの修多羅に拠って真偽を勘決して、外教邪偽の異執を教誡せば、
『涅槃経』(如来性品)に言わく、仏に帰依せば、終にまたその余の諸天神に帰依せざれ、と。略出
『般舟三昧経』に言わく、優婆夷、この三昧を聞きて学ばんと欲わば、乃至自ら仏に帰命し、法に帰命し、比丘僧に帰命せよ。余道に事うることを得ざれ、天を拝することを得ざれ、鬼神を祠ることを得ざれ、吉良日を視ることを得ざれ、と。已上
また言わく、優婆夷、三昧を学ばんと欲わば、乃至天を拝し神を祠祀することを得ざれ、と。略出
『大乗大方等日蔵経』巻第八、「魔王波旬星宿品」の第八の二に言わく、その時に佉吒、天衆に告げて言わく、「このもろもろの月等、おのおの主儻あり。汝、四種の衆生を救済すべし。何者をか四とする。地上の人?諸龍?夜叉?乃至蝎等を救けん。かくのごときの類、みなことごとくこれを救けん。我、もろもろの衆生を安楽するをもってのゆえに、星宿を布置す。おのおの分部乃至模呼羅の時等あり。またみなつぶさに説かん。その国土方面の処に随いて、所作の事業随順し増長せん。」佉吒、大衆の前にして、掌を合せて、説きて言わまく、「かくのごとき、日月?年時?大小星宿を安置す。何者をか、名づけて有六時とするや。正月?二月を暄暖時と名づく。三月?四月を種作時と名づく。五月?六月は求降時なり。七月?八月は物欲熟時なり。九月?十月は寒涼の時なり。十有一月、合して十二月は大雪の時なり。これ十二月を分かちて六時とす。また大星宿その数、八あり。いわゆる歳星?熒顦腅鋁邯腅醾钒腅鉃邯腅鏺腅貎腅觗鞅睺邯苈苨腂苜芽辬邯轨腁鏱轜钪芠苨腂芢苭苤苩鷣苦苨裝苉躊苩苜苅苌辔轨花れなり。我かくのごとき次第安置を作す。その法を説き已りぬ。汝等、みな須らくまた見、また聞くべし。一切大衆、意においていかん。我が置くところの法、その事これ二十八宿および八大星の所行諸業にあらず。汝が喜楽は、是のために、非のためにせず。宜しくおのおの宣説すべし。」その時に一切天人?仙人?阿修羅?龍および緊那羅等、みなことごとく掌を合せて、ことごとくこの言を作さく、「いま大仙のごときは、天人の間にして最も尊重とす。乃至諸龍および阿修羅、よく勝れたる者なけん。智慧?慈悲、最も第一とす。無量劫において忘れず、一切衆生を憐愍するがゆえに、福法を獲、誓願満ち已りて、功徳海のごとし。よく過去?現在?当来、一切諸事、天人の間を知るに、かくのごときの智慧の者あることなし。かくのごときの法用、日夜?刹那および迦羅時、大小星宿、月半?月満?年満の法用、更に衆生よくこの法を作すことなからん。みなことごとく随喜して安楽ならん。我等、善いかな、大徳、衆生を安穏す。」この時、佉吒仙人、またこの言を作さく、「この十二月?一年始終、かくのごとき方便す。大小星等、刹那時法、みなすでに説き竟りぬ。また四天大王を須弥山の四方面所に安置す。おのおの一王を置く。このもろもろの方所にして、おのおの衆生を領す。北方の天王を毘沙門と名づく。これ、その界の内に多く夜叉あり。南方の天王を毘留荼と名づく。ともにこれ、その界の内に多く鳩槃荼あり。西方の天王を毘留博叉と名づく。これ、その界の内に多く諸龍あり。東方の天王を題頭隷吒と名づく。これ、その界の内に乾闥婆多し。四方四維、みなことごとく一切洲渚およびもろもろの城邑を擁護す。また鬼神を置きてこれを守護せしむ。」その時に佉吒仙人、諸天?龍?夜叉?阿修羅?緊那羅?摩睺鞅覾腅遬铱遬鎙腁裪郘釥轏苉芨芢苄腁苝苈迌芵苄腁善いかな、歓喜無量なることをなす。この時に天?龍?夜叉?阿修羅等、日夜に佉吒を供養す。次にまた後に、無量世を過ぎて、また仙人あらん、伽力伽と名づけん。世に出現して、また更に別してもろもろの星宿、小大月の法、時節要略を説き置かん。その時に諸龍、佉鞅鋯蹒邹遬苌轚辈苉芠苨苄腁賵隡郥遬苰醸轤芵讱豨芹英腁芻苪鞴韍苰遳芭芵苄花苪苰讟靻芹英腁苆腂鯟迣辴软
『日蔵経』巻第九「念仏三昧品」の第十に言わく、その時に波旬、この偈を説き已るに、かの衆の中に一の魔女あり、名づけて離暗とす。この魔女は、むかし過去において、もろもろの徳本を植えたりき。この説を作して言わまく、「沙門瞿曇は名づけて福徳と称す。もし衆生ありて、仏名を聞くことを得て、一心に帰依せん。一切の諸魔、かの衆生において悪を加うることあたわず。いかにいわんや、仏を見たてまつり、まのあたり法を聞かん人、種種に方便し慧解深広ならん。乃至たとい千万億の一切魔軍、ついに須臾も害をなすことを得ることあたわず。如来いま涅槃道を開きたまえり。女、彼に往きて仏に帰依せんと欲う」と。すなわちその父のためにして、偈を説きて言わまく、乃至